いつかのインド旅行雑記 ⑤
パンゴンツォ
車で通れる世界最高峰と言われ、氷雪に覆われる峠
「カルドゥン・ラ」を越えて渓谷を延々走り、
たどり着いたのは国境にまたがる大湖「パンゴンツォ」。
らくだ色の乾いた山肌の先、
チラリとのぞいていた湖の青が大きく目の前に広がった瞬間は
「すごい!」「すごい!!」とシンプルな歓声をあげるしかありません。
深く重たい青色と、景色すべてを映し込む鏡の湖面。
自分は雨男だし、そんなに運のいいほうでもないので、
風もなく雲もなく本当に出来過ぎの好条件で
パンゴンツォと対峙できたことを噛み締めると
「あかん、やっぱり死ぬかもしれん」と思ったものです。
ところで、ここが高地であることを忘れて
湖畔で飛び跳ねはしゃぎすぎた一行は、
その夜当然のように高山病の症状で打ちのめされ
ハッカ油を染ませたティッシュを鼻に詰めながら
風船を膨らませることになるのでした。
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